第10回中国茶教室(寺山紅・和)の風景

第10回中国茶教室(寺山紅・和)の風景

2021.5.22
中国茶教室
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いつもありがとうございます。伊豆高原Natural Chinese一茶一酒でございます。

先週の水曜日(5月19日)に、感染対策をしっかり取った上、無事に第10回無料中国茶教室を開催致しました。多数の申し込みを頂き、誠にありがとうございます。定員で5月期に参加できなかったお客様は、ぜひ6月期を早めにお申込下さい。第11回は、6月の第三週の水曜日に行う予定です。

さて、第10回のテーマは寺山紅・和(紅茶)です。前半はレクチャー(教室詳細、基本知識、お茶の保存、本日のお茶、使用する茶器に分けて)、後半は実技の構成でした。

 

寺山紅・和 茶葉

寺山紅・和 茶水

寺山紅・和の分類は紅茶、代表的な中国紅茶:祁門紅茶(キームン)、正山小種(ラプサンスーチョン)から前半のレクチャーを始めました。世界三大紅茶(高香茶)を紹介しながら、中国紅茶の分類:小種紅茶、工夫紅茶、紅砕茶を話しました。本日の寺山紅・和は、工夫紅茶に属され、越地工夫茶となります。また造り手の任さんは祁門紅茶の技法を入れるなど、改善改良を行ったことで、新越地工夫茶とも呼ばれています。このお茶と同じシリーズ、寺山紅・覚は2017年に中国茶博覧会で一挙金賞を取り、まろやかな口当たりと華やかな花のような蜜のような高い香りが特徴で、今中国国内では非常に注目度の高い紅茶です。現在日本においてはこの紅茶は一茶一酒でしか入手できません。

実は造り手の任さんとは、ドラマチックな出会いでした。一茶一酒の準備期間中に、本物の良いお茶を探していた時に、主人の幼馴染の紹介で、任さんと知り合いました。趣旨を伝えて、まずサンプルを送ってほしいとお願いしたところで、「うちはサンプルを送りません」とあっさり断られました。え、なんで?!とびっくりして尋ねたら、「会ったことのない人にはお茶を売りません、茶畑に来ていない人にはお茶を売りません、私が作ったお茶の良さを解らないただの商売人にはお茶を売りません」と言われました。中国では、普通知人の紹介なら話しやすいのですが、かなり頑固な様子でした。最終的に仕方なく、日本から中国浙江省紹興市に行って、任さんに会って、お茶畑に行って、工場も見学し、お茶をじっくり飲んで、その良さを十分に理解したところで、話がスムーズに進みました。色々拘りがあったからこそ、いいお茶ができたと思います、そして更にバイヤーにも厳しい要求をして、ちゃんとしたところで販売されることまで追求するとは、とても意外でした。

その後、一茶一酒では寺山紅を一番お勧めのお茶としてお客様に提供しています。「なんだこの紅茶、美味しい」とよく通のお客様に言われて、この話をすると、お客様もにっこり、ユニックな方ですねと微笑み。

    

任さんの茶室で新茶を試飲。

後半の実技に、時間の関係で、4煎を淹れました。まだまだ茶水の色が良くて、味もしっかりしていました。最後に同じく講師を務める川嶋さんが手作りの炒青緑茶を淹れて、皆さんに試飲して頂きました。実は毎月の教室を開催する前に、事前準備として二家族でいつも試飲会を行っています、今月は5月9日でした。その日、一茶一酒敷地内にあるお茶を一芯二葉で摘んで、川嶋さんがその日徹夜で炒り、乾燥させました。結果、とても出来の良いお茶でした、香りが高く、香ばしくて、渋みと旨みのバランスがうまく取れて、素晴らしい自家製緑茶でした。来年、清明節前の明前茶を狙おうとみんなで笑いながら話しました。タイミングが合えば、その月の中国茶教室と一緒に実施できたら嬉しいねと皆さんが期待な言葉を発しました。

あっという間の1時間45分でした、あまりにも楽しくて、時間をオーバーしてしまいました。

このような感じで、第10回無料中国茶教室を無事に開催できました。

では、また六月にお会いできるのを楽しみにしております。

2021年5月22日

一茶一酒 ありす